申込み前に知っておきたい基礎知識

創業計画書のためのビジネスプランの立て方

日本政策金融公庫の創業融資に申し込む場合には、創業前であれば創業計画書を作成し、提出が必須となります。
また、創業計画書を作成することの重要性というのは、単に創業融資の提出書類であるから作るのではなく、事業をどのように実現していくのかを見える形にすることで、創業前であれば事業の内容や特徴を整理して、検討が不足していた事項に気づくことができ、創業後には、見込み違いの点や修正すべき点にすぐ気づくことができます。
創業計画書の作成にあたっては、以下の内容を記載していきますが、そのためにはまず、ビジネスプランを立てることが必要不可欠です。今回は、ビジネスプランの立て方について解説いたします。

■創業計画書の記載事項

  1. 1.創業の動機
  2. 2.経営者の略歴等
  3. 3.取扱商品・サービス
  4. 4.取引先・取引関係等
  5. 5.従業員
  6. 6.お借入れの状況
  7. 7.必要な資金と調達方法
  8. 8.事業の見通し

❶ ビジネスプランの立て方

1-1 アイデアの整理

創業を計画する際にどのような事業を行っていくのか考える必要があり、以下の3つすべてを満たす事業であれば継続できる可能性が高い事業であるといえます。

1-2 取扱商品、サービス

熱意や志は創業後の困難を乗り越える原動力となります。

1-3 できること

自分ができることでなければ実現できません。
やりたいことに対して、できることが不足している場合には補う方法について考えましょう。

1-4 ニーズがあること

人から求められるからこそ、対価を得られます。自身が始めようとしている事業について市場がどうなっているか調べる必要があります。

❷ ビジネスモデルの検討

次にどのように収益を上げるのかということについて検討します。
具体的にはだれに、何を、どのように売るのかということについて考える必要があります。

2-1 だれに売るのか

顧客となるターゲットをイメージしましょう。年齢層、性別、職業、居住地域や勤務地域、特定の趣味など具体的なターゲットをイメージすることが重要です。

2-2 何を売るのか

できることの中から商品・サービスの内容を決めましょう。他と比較してより良いものなのかといった観点で考えましょう。

2-3 どのように売るのか

サービス業であれば、価格や立地、広告宣伝の仕方や募集人員を決めましょう。販売業であれば、上記に加えて流通や仕入の方法も考える必要があります。業種によっては、店舗や事務所の立地が事業の成否を左右する重要なポイントになります。一般的に立地の良い場所は地価や家賃が高く、その負担で採算が合わなくなるリスクがあります。場所の選定にあたっては、資金計画や販売戦略等を考慮して検討しましょう。

❸ 収支計画を立てる

実際に事業を始めたらどれくらいの利益がでるのか気になるかと思います。利益の計算は、「売上ー原価・経費=利益」と計算し、特に売上がどの程度見込めるかというのは、融資担当者にとって非常に重要なポイントとなります。具体的には以下の手順で、1か月あたりの収支計画を立てていくこととなります。

3-1 売上を予測する

収支計画を検討するにはまず、売上を予測します。売上予測の方法は、業種の特性によって異なりますので、最も適した方法を選びましょう。また、地域事情や業界事情がある場合には、それらを加味して多角的に売上を予測することが大切です。

①サービス業関係業種の場合(飲食、理美容、他サービス業)
【算式】客単価×座席数×回転数
回転数や客単価については、曜日や時間帯によっても異なってきますので、土日祝日は回転数を多めに見積もり、平日は少なめに見積もるといったように考える必要がある場合もあります。
②販売業で店舗売りのウェイトが大きい業種(コンビニエンスストアなどの小売業)
【算式】1㎡(1坪)あたりの売上×売場面積
1㎡(1坪)あたりの売上などについては、「小企業の経営指標」を日本政策金融公庫のホームページで調べることができます。

参考:日本政策金融公庫ホームページ「小企業の経営指標調査」
【https://www.jfc.go.jp/n/findings/shihyou_kekka_m_index.html】

③設備が直接売上に結び付き設備単位当たりの生産能力がとらえやすい業種(部品加工業、印刷業、運送業など)
【算式】設備の生産能力×設備数

設備数:2台
1台当たりの生産能力:1日あたり500個
加工賃:1個当たり50円
稼働日数:月25日稼働
1か月当たりの売上予測:125万円=50円×500個×25日×2台

3-2 原価・経費を予測する

売上予測を行ったら、次に原価・経費の予測を行います。原価については、上記の「小企業の経営指標」を参考に、予測した売上にその原価率を乗じる方法で計算することができます。

参考:日本政策金融公庫ホームページ「小企業の経営指標調査」
【https://www.jfc.go.jp/n/findings/shihyou_kekka_m_index.html】

その他に経費となるものとして、人件費や家賃、借入金の支払利息などが考えられます。
事業の運営に必要となる経費については、あらかじめ予測できるもので結構ですので収支計画に盛り込む必要があります。ここまで計算しましたら、1か月あたりの売上と原価・経費をもとに収支計画を立てていくことになります。

❹ 資金計画を立てる

創業するのにいくらの資金が必要で、その資金をどう調達するのかを計算する必要があります。設備資金と運転資金の内訳・金額、確保すべき資金の調達方法別金額をまとめた資金計画表を作成しましょう。

❺ 返済計画を立てる

借入などで資金を調達した場合、その返済のこともあわせて考える必要があります。借入金は毎月、事業で得た利益から返済することが一般的です。収支計画の利益で返済できる金額かどうかも検討し、ゆとりをもった返済計画を立てましょう。

❻ ビジネスプランを立てた後にすること

6-1 整合性の確認

ビジネスプランを一通り作り終えたら、その内容が整合しているか確認しましょう。やりたいことと、できることが整合しているか見直してみてください。特に売上の見込が甘い予測になっていないか、客観的に見てその売上は達成できるのか一度疑って見てみましょう。

6-2 創業計画書の作成

計画したビジネスプランをもとに、創業計画書を作成しましょう。できる限り作りこむことが融資成功率を上げるためのポイントとなります。

6-3 面談を想定した準備

ビジネスプランも創業計画書も作成するだけではなく、融資担当者にわかりやすく説明できるようにしておく必要があります。具体的には、面談を想定した質疑応答の練習などを行いましょう。

❼ まとめ

ビジネスプランを立てるというのは事業計画の第一歩であり、創業計画書を作成するため、延いては創業融資を受けるために、次のステップに沿ってビジネスプランを立てていきましょう。

【1.アイデアを整理する】

やりたいこと、できること、ニーズが整合しているか検討しましょう。

【2.ビジネスモデルを検討する】

だれに、なに、どのように売るのか明確にしましょう。

【3.収支計画、資金計画、返済計画を立てる】

事業を開始したらどのような結果になるのか予測しましょう。創業後も実績と照らし合わせて、現状の課題把握に努めましょう。

■ この記事の監修者
マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
伊東 祐生(いとう ゆうき)

2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。

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■ この記事の監修者
マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
伊東 祐生(いとう ゆうき)

2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。

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