【速報】全東信の破産手続開始に伴う中小企業・小規模事業者への支援策
■【速報】全東信の破産手続開始に伴う中小企業・小規模事業者への支援策
株式会社全東信(以下「全東信」といいます。)の破産手続開始を受け、経済産業省・中小企業庁は、影響を受ける中小企業・小規模事業者への支援策を公表しました。
取引先の破産によって売掛金を回収できなくなると、帳簿上では利益が出ていても、仕入代金や人件費、借入金の返済に必要な現金が不足する可能性があります。
今回の支援では、特別相談窓口の設置、セーフティネット貸付の要件緩和、セーフティネット保証1号の事前相談、既存借入の返済条件変更などが実施されます。
本記事では、全東信の破産手続開始によって影響を受ける事業者が利用を検討できる支援策と、早めに確認しておきたいポイントを解説します。
■今回の支援策の対象となる事業者
今回の支援策は、全東信の破産手続開始によって資金繰りに影響を受けている、または今後影響を受けることが懸念される中小企業・小規模事業者を対象としています。
具体的には、次のような事業者が対象となる可能性があります。
- 全東信に対して売掛金などの債権を有している事業者
- 売掛金の回収遅延や回収不能によって資金繰りに支障が生じている事業者
- 現時点では影響が出ていないものの、今後の資金繰りへの影響が懸念される事業者
- 既存の借入金について、返済条件の見直しが必要となる事業者
支援制度ごとに対象要件が異なるため、実際に利用できるかどうかは、日本政策金融公庫や信用保証協会などの相談窓口で確認する必要があります。
■支援内容① 特別相談窓口の設置
全東信の破産手続開始によって影響を受ける事業者からの相談に対応するため、次の機関に特別相談窓口が設置されます。
- 全国の日本政策金融公庫
- 沖縄振興開発金融公庫
- 商工組合中央金庫
- 全国の信用保証協会
相談窓口では、今後の資金繰り、新規融資、既存借入の返済条件などについて相談できます。
資金が不足してから相談するのではなく、売掛金の回収が難しくなる可能性が判明した段階で、早めに相談することが重要です。
■支援内容② セーフティネット貸付の要件緩和
日本政策金融公庫などが取り扱う「セーフティネット貸付」について、今回の事案に対応した要件緩和が行われます。
支援対象は、すでに資金繰りへの影響が生じている事業者だけでなく、全東信の破産手続開始によって今後影響を受けることが懸念される中小企業・小規模事業者にまで拡大されます。
現時点で支払いに支障が生じていなくても、今後の売掛金回収や資金繰りに不安がある場合は、日本政策金融公庫などへ相談することをおすすめします。
■支援内容③ セーフティネット保証1号の事前相談開始
全東信に対して売掛金債権などを有し、資金繰りに支障が生じている中小企業・小規模事業者については、「セーフティネット保証1号」の適用に向けた手続きが進められています。
セーフティネット保証1号は、経営の安定に支障が生じている中小企業・小規模事業者に対して、信用保証協会が一般保証とは別枠の限度額で、融資額の100%を保証する制度です。
中小企業庁の公表時点では、今後、官報で告示される予定とされています。正式な告示に先立ち、全国の信用保証協会で事前相談が開始されています。
なお、事前相談を行っただけで保証や融資が確定するものではありません。制度の正式な指定状況や認定要件、必要書類について、信用保証協会や金融機関へ確認しましょう。
■支援内容④ 既存借入の返済条件変更などへの対応
すでに日本政策金融公庫などから融資を受けている事業者についても、実情に応じた柔軟な対応が要請されています。
主な対応内容は、次のとおりです。
- 返済猶予など、既存借入の返済条件変更
- 貸出手続きの迅速化
- 担保徴求の弾力化
- 事業者の実情に応じた資金繰り相談への対応
既存借入の返済が難しくなった場合、返済日に遅れてから相談するのではなく、延滞が発生する前に金融機関へ相談することが重要です。
■影響を受ける事業者が早めに確認すべきこと
全東信と取引がある事業者は、まず自社への影響を具体的に整理しましょう。
- 全東信に対する売掛金や未回収債権の金額
- 売掛金の回収予定日と現在の回収状況
- 今後数か月分の入金予定と支払予定
- 仕入代金、人件費、税金、社会保険料、借入返済などの支払額
- 手元預金で事業を継続できる期間
- 既存借入の返済条件変更が必要かどうか
これらを整理するためには、月ごとの現金の動きを示した「資金繰り表」の作成が有効です。
売掛金が回収できない場合に、いつ資金が不足するのかを早めに把握できれば、新規融資や返済条件変更などの対応を検討しやすくなります。
■相談時に準備しておきたい資料
日本政策金融公庫や信用保証協会、金融機関へ相談する際は、次のような資料を準備しておくと、相談を進めやすくなります。
- 全東信との取引内容が分かる契約書、請求書、納品書など
- 売掛金や未回収債権の金額が分かる資料
- 直近の決算書や確定申告書
- 直近の試算表
- 資金繰り表
- 預金通帳や借入金の返済予定表
- 今後の売上・支出の見通しを示す資料
必要書類は利用する制度や事業者の状況によって異なるため、相談窓口へ事前に確認してください。
■まとめ:資金繰りへの影響が見込まれる場合は早めに相談を
全東信の破産手続開始を受け、中小企業庁は、影響を受ける中小企業・小規模事業者に対して、次の支援策を実施します。
- 特別相談窓口の設置
- セーフティネット貸付の要件緩和
- セーフティネット保証1号の事前相談開始
- 既存借入の返済条件変更などへの柔軟な対応
取引先の破産による売掛金の回収不能は、事業者の資金繰りに大きな影響を与える可能性があります。
現在は資金不足が生じていない場合でも、今後の影響が見込まれる段階で、日本政策金融公庫、信用保証協会、取引金融機関などへ相談することが重要です。
弊社では、日本政策金融公庫への融資相談や資金繰り表の作成、金融機関への相談準備などをサポートしています。
全東信の破産手続開始による資金繰りへの影響や、利用できる融資制度についてご不安がある方は、お気軽にご相談ください。
■参考情報・最新情報について
本記事は、2026年7月10日に経済産業省・中小企業庁が公表した情報をもとに作成しています。
支援制度の対象要件や申込方法、セーフティネット保証1号の指定状況などは変更される可能性があります。最新情報は、以下の公式ページをご確認ください。
経済産業省・中小企業庁「全東信の破産手続開始により影響を受ける中小企業・小規模事業者への支援を実施します」
- ■ この記事の監修者
- マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
- 伊東 祐生(いとう ゆうき)
2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。
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- 伊東 祐生(いとう ゆうき)
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