【2024年4月1日からスタート】日本政策金融公庫の新規開業資金の申込みは、創業後2年以内がおススメな理由
創業時に直面する課題は「資金調達をどのようにするべきか」ということです。
資金調達は、銀行などの民間金融機関を活用するのが一般的ですが、新規創業の場合には、まだ企業としての実績がなく、民間企業である銀行に融資を承認してもらうことはなかなかできません。
また、事業を開始してからある程度の期間が経過し、業績が悪かった場合は、融資を申込む場合の審査は厳しいものになります。
そのため、創業初期の融資をお考えになる場合には、まず日本政策金融公庫の融資制度を活用することをお勧めいたします。
2024年4月1日より、日本政策金融公庫では新たに事業を始める方や税務申告を2期終えていない方向けの融資制度が拡充され、融資制度の一つである「新規開業資金」が使いやすくなりました。
今回は、この2024年4月1日より始まった融資制度を使うべき理由について解説いたします。
❶ 2024年4月1日以後の変更点の概要
新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方で融資を受ける際には、通常の融資と比べて以下の内容が優遇されています。
1-1 無担保・無保証に変更
原則として無担保・無保証人で各種融資制度をご利用いただけます。
1-2 利率を一律0.65%引下げ
原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げとなります。
1-3 返済期間、据置期間の変更
設備資金は20年以内、運転資金は変更前が7年であったものが原則10年以内に変更になりました。
また、元金の返済が猶予される期間として据置期間を最大5年利用することができ、この期間は利息のみの支払いとすることができるため、より柔軟な資金繰りが可能となっています。
1-4 融資限度額の拡大
融資の際、一度に借入を申込むことができる設備資金と運転資金の上限額がそれぞれ増加することになりました。
- 設備資金の上限額1,500万円→3,000万円
- 運転資金の上限額1,500万円→4,800万円
1-5 自己資金要件の撤廃
これまでは創業時において、創業資金総額の10分の1以上の自己資金があることが条件でしたが、2024年4月1日以後は自己資金がなくても融資の申込みができるようになりました。
【出典:https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_240401b.pdf】
❷ 2024年4月1日以後「新規開業資金」の制度を活用するメリット
2-1 創業前や創業初期段階でも申し込みが可能
新たに事業を始める方や創業初期の方がこの融資制度の対象とされているため、創業時の融資としては最適の制度です。
特に創業初期段階においては、設備資金や運転資金を追加で確保したい場合にも有用な制度となっております。
創業初期においては通常実績がないことがほとんどであるため、民間金融機関から融資を受けるのは難しいです。
一方、日本政策金融公庫は創業時の支援を目的とした創業融資の制度をいくつか設けており創業前の方でも申込みが受けられ、実際に融資を受けることができます。
2-2 無担保・無保証の利点
通常、融資を受ける場合には担保や第三者による保証人を用意する必要がありますが、この融資制度においては、担保や第三者による保証人が必要ありません。
また、法人が融資を申込む際の創業者本人の個人保証も必要ないため、創業者に有利な条件で資金調達を行うことができます。
2-3 民間金融機関よりも返済期間が長い
一般的に、民間金融機関の返済期間は通常は3年から10年の間で返済されます。
一方。新規開業資金の返済期間は10年から20年程度と長期に渡り、余裕をもって事業の資金計画を立てることができます。
2-4 金利が低い
新規開業資金の制度による金利は最大でも年3%代(2024年5月時点)で、民間金融機関と比べると低い水準で開業資金等を借り入れることができます。
これは日本政策金融公庫が政府の政策目標を達成するために設立され、特定の産業や地域に対して金融支援を行うことが求められているためです。
一般的に、日本政策金融公庫は公共性を重視し、利益追求よりも社会的貢献や経済振興を優先する傾向があります。そのため、金利を低く設定することで特定の産業や地域における経済活動を促進し、社会的利益を追求しています。
2-5 融資実行まで約1か月と他制度に比べて早い
必要書類の準備から入金まで1か月程度の期間で融資を受けることができます。
特に創業時の融資であれば、創業計画書などの必要書類を作成することとなるため、スムーズに融資の手続きを進めるためにも、申込みをする前からあらかじめ必要書類を準備しましょう。
❸ まとめ
✔ 新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方で融資を受ける場合には、通常の融資条件より優遇される。
✔ 創業初期段階または創業前でも融資は受けられる。
✔ 創業後ある程度の期間が経過してから業績悪化を理由に融資を受けようとしても、審査は通りづらいため、創業初期に融資を受けるのがおすすめ。
- ■ この記事の監修者
- マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
- 伊東 祐生(いとう ゆうき)
2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。
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- マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
- 伊東 祐生(いとう ゆうき)
2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。