融資成功ノウハウ

創業融資NGになるケース5選とその対策

日本政策金融公庫の創業融資における審査担当者は、以下の要素を総合的に評価しています。

  1. ①支払期日を守る意識およびその実績があるか
  2. ②事業を始めるにあたって計画的に行動できているか
  3. ③返済の見込みがあるか
  4. ④社会性があるか

これらの要素が不十分である場合には、融資審査がNGになる可能性があります。
では、具体的にどのようなケースだとNGになるか、またその対策を解説いたします。

❶ NGになるケース5選とその対策

1-1 信用情報に毀損がある場合

税金、公共料金、ローンの支払いの滞納や遅延がある場合や自己破産をしている場合には、今後融資をした場合返済が滞る可能性があると判断される可能性があります。少なくとも融資を受けようとする直近半年間は、期日と定められた支払額を守るようにしましょう。なお、自身の信用情報はCIC(指定信用情報機関)というサイトで確認することができます。

1-2 業界経験が著しく短い場合

これまでの経歴とこれから始める事業の関係性がない場合には、計画的ではなく思い付きで行動していると判断される可能性があります。最低1年以上は業界経験を積むようにしましょう。例外的なケースとして事業承継やM&Aなどにより事業を引き継ぐ場合は、これまでの業界経験がなくても計画的な行動であると判断される可能性が高いです。

1-3 自己資金が不足している場合

自己資金が事業に必要な資金の総額と比べて著しく少ない場合や、急ごしらえで一時的に集めた資金などは自己資金と認められず、これまでその必要な資金を計画的に貯めてこなかったと判断される可能性があります。計画的に資金を貯え、事業に備えていたとアピールすることがプラスの評価につながります。

1-4 反社会的勢力、逮捕歴がある場合

日本政策金融公庫に対する公共の信頼を維持し、業務の適切性および健全性を確保する観点から、反社会的勢力には融資が行われることはありません。逮捕歴がある方も同様であり、ほとんどの確率でNGになると考えられます。

1-5 収支計画や資金の調達運用方法があいまいである場合

創業計画書に記載されている収支計画や資金の調達運用方法が現実的ではない場合や、事業の先行きや強みを審査担当者に説明できない、特に売上高の確保が現実的ではないなど、事業の成功率が低いと捉えられる場合には、返済の可能性が低いと判断される可能性があります。あらためて以下の点を見直しましょう。

①売上高の予測は客観的であるか
売上高は審査担当者が特に注目する部分となります。業種の特性や地域の事情を見込むなど、合理的かつ客観的な予測計算を行うことが重要です。また、日本政策金融公庫のホームページには業種別の売上平均や原価率の平均などの経営指標が掲載されているので参考にしましょう。

②売上高の説明資料の作成
顧客リストなどの売上高の見込を説明できる資料を作成しておくと、審査でプラスに働きます。

③売上原価の計算は業界平均と乖離していないか
売上高の予測に付随して計算することになりますが、業種別平均とかけ離れた原価率になっている場合には

  • 売上単価を見直したり、
  • 仕入や製品の製造工程で発生するコストを抑えるといった工夫が必要です。

④設備への投資額が過大ではないか
創業時は投資額が過大になりがちであるため、設備は複数の見積りを行い比較しましょう。

⑤運転資金に十分なゆとりがあるか
給料、家賃、商品仕入れに充てる資金に十分余裕を持ち、ゆとりを持った計画であるか見直しましょう。

⑥創業計画書の内容を面談時に説明できるか
融資担当者との面談では、創業計画書に記載をされている内容を説明する必要があります。事前にロールプレイングなどを行い、面談を想定した準備を行いましょう。

❷ まとめ

融資審査でNGになるとその分の時間をロスすることになります。そのため、事前にNGになる要素を減らしていくように努めましょう。融資の申し込みをこれから行う方は、今一度ご自身がNGになる要素がないか見直してみましょう。

■ この記事の監修者
マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
伊東 祐生(いとう ゆうき)

2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。

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■ この記事の監修者
マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
伊東 祐生(いとう ゆうき)

2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。

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