創業計画書作成のポイント

飲食業のスタートアップ成功のためのビジネスプランと創業計画書の作成

札幌市には飲食店舗の数が1万店以上あるといわれており、その数は全国の市町村の中でもトップクラスです。

また、コロナ後は宅配サービス需要の増加に伴い、デリバリーやテイクアウトといったサービスが普及し、また特定のメニューに集中する専門店が増加していることによって飲食業界の競争は激しさを増しています。

そのため今後新たに飲食業を始める場合にはターゲット層を絞った差別化による戦略が重要になります。

今回は、飲食店のスタートアップを成功させるために必要なビジネスプランの作成と創業融資申込みに活用できる創業計画書の作成方法について解説いたします。

1.コンセプトを決めよう

飲食業の特徴として、特定のメニューに集中する専門店や、デリバリーやテイクアウトに特化した店舗を最小限にとどめるスタイル、キッチンカーなど初期投資を抑えたフレキシブルなスタイルでの営業など多種多様なスタイルが飲食業の業態となっております。
そのような環境の中では、他社と自社の料理の内容やサービスの差別化を図りターゲット層にアピールすることが売上を伸ばすことにつながります。

そのため料理の内容や提供できるサービスの価値や提供方法、目標とするターゲットを定めることで「だれに向けたどのようなサービスであるか」つまり、コンセプトが明らかになります。
また、コンセプトを明確にすることで、メニュー開発やSNSなどでのプロモーションの方向性も考えやすくなります。

「5W2H」でコンセプトを決めよう

飲食店のコンセプトを決めるには、問題解決の際によく使われる「5W2H」の考え方が有用です。

・Whyなぜ
 ➡なぜ飲食店/飲食業をやろうと考えたのか
・What何を・Whoだれに・Howどうやって・How muchいくらで
 ➡どのような料理・サービスをだれにどのように、いくらで提供するのか
・Whereどこで・Whenいつ
 ➡どこで開業するのか、いつ開業するのか

とくに”Whyなぜ”飲食店を開業しようと考えたのか、その動機と将来のイメージをすることは飲食業に限らずスタートアップを成功させるためには非常に重要です。

創業直後は予想外のトラブルや出費が多く発生し、また長く経営を続けていく中でも事業に対する強い思いがなければ長く続けていくのは難しいです。
また、創業前や創業直後の事業者に向けた資金調達の手段として、日本政策金融公庫から「新創業融資制度」を受けることできますが、創業当初は実績がない状態で融資の申込を行うこととなります。
そのため飲食店の実績だけではなく「創業後も困難を乗り越えていけるだけの人物かどうか」といった点も融資の審査担当者は注意深く見られます。

なぜ飲食業を開業しようとしたのか、その動機付けを確立させることはチャレンジングな姿勢のアピールに直結しますので、融資審査ではポジティブな評価を受けられます。

2.市場調査や競合分析により同業者や地域の特徴を調べよう

コンセプトを実現させるためにもいきなり開業してしまう前に、まずは開業しようとする地域周辺の現状分析が必要となります。
現状分析といっても、創業時には大規模な分析を行うことは現実的に難しいものがあるため、コストが少なくてもできる立地予定地周辺のターゲットになりうる層や競合の情報収集を行う方法をご紹介いたします。

①「市場調査」

立地予定エリア周辺のターゲットとなる顧客層を分析することで、どのような商品・サービス・プロモーションをしていくかといったアイデアを考える際の参考とすることができます。

・現地観察

立地予定エリア周辺を実際に訪れて、通る人の年齢層や、グループ構成、人通りが多いか少ないかといったリアルな情報を観察することができます。

・オンライン調査

人口統計や家計調査データは統計局にまとめられており、無料で閲覧することができます。
また、グルメサイトやSNSで周辺地域の人気店を調べることで、直近のトレンドや消費者のニーズを把握することができます。

②「競合分析」

競合分析をすることで、同業他社の強みや弱みを把握した結果、自分の店舗との差別化を考えるきっかけとなります。

・実地調査

立地予定エリアの競合店舗を実際に訪問し、メニューや価格帯、店舗の雰囲気や内装の状況、利用者の年齢層、接客対応の質や交通の利便性などから、競合の強みや弱みを把握することができます。

・オンライン調査

インターネットを活用して、競合店舗の公式サイトやSNS、グルメサイト等での口コミや評価を分析し、消費者からどのような評価を得ているのか把握することができます。

3.創業計画書を作ろう

①創業の動機、事業の経験など

なぜ創業するのか、創業に向けてどのような経験を積んできたのかを記載します。
事業が成り立つ具体的かつ客観的な根拠を、ご自身の経験を踏まえて盛り込むと説得力が高まります。

②取扱商品、サービス

どんな料理・サービスを、だれに、どのように提供するのか具体的に記載します。
提供する料理・サービスが本当に顧客に求められているものなのか、
他社と比較してより良いものなのかといった観点を盛り込むとよいでしょう。

③販売先・仕入先

ターゲット層、仕入先との関係性を簡単に記載します。
飲食業では立地条件が重要となりますので、その立地を選んだ理由についても記載するとよいでしょう。

④必要な資金と調達の方法

創業にあたっては、資金がいくら必要で、それをどう調達するかを検討しなければなりません。
これを資金計画といい、資金は設備資金と運転資金に分けて考えます。

<必要な資金:設備資金>

創業時は投資額が過大になりがちであるため、設備は複数の見積りを行い比較しましょう。
最初は最低限必要な設備のみにすることも検討するとよいでしょう。

<必要な資金:運転資金>

運転資金は、給料、家賃、食材仕入れに充てる資金で、日本政策金融公庫の資料では、事業が軌道に乗り、黒字化するまでには平均7か月以上かかると公表されています。
運転資金には十分余裕を持ち、ゆとりを持った計画を立てましょう。

<調達の方法>

資金をどのように調達するかを調達の方法に記入します。
まずは、事業に投下する自己資金を記入します。自己資金とは法人の資本金やご自身で貯えたものなどで、返済が不要なものです。
金融機関からの借入金などで調達する場合は、毎月の返済金額を記入し
自己資金と借入金のバランスを考慮した資金計画を立てましょう。

⑤収支計画の策定

<売上高>

売上高の算出方法は業種によって異なります。
飲食業なら、例として「単価×客席数×回転数×営業日数」によって計算できます。
合理的な予測計算をすることで、まだ実現していない売上高という数値に説得力を持たせることができます。

<売上原価>

売上原価は業界平均などを基礎に算出しましょう。
飲食業における原価率は店舗の業態によっても異なりますが、30%~40%が平均的な割合となります。

<収支計画策定の注意点>

収支計画を立てる際、売上高は多く、経費は少なくといった甘い予測になりがちです。
融資審査ではその点厳しく見られますので、競合調査や市場調査などから多角的に検証し、収支計画の客観性を高めていくことが大切です。

4.まとめ

飲食店のスタートアップを成功させるには、コンセプトを確立させ、それを実現させるために計画的な準備が必要となります。
特にSNSなどのデジタルツールを活用した情報発信は現代において欠かすことができません。
予約管理システムやグルメサイト、googleマップなどの登録で魅力あるコンセプトを発信することで、知名度・来客数を上げる効果が期待できます。

また、開業に伴う設備のための資金やお店を運営するための運転資金など、多くの資金が必要となります。
自己資金のみでの資金確保が困難な場合には、日本政策金融公庫の新創業融資がおすすめです。
無担保融資かつ低金利で融資を受けることができ、創業前か創業して間もない時期にのみ活用できる融資制度です。
創業時の資金が枯渇しがちな時期には大きな助けとなりますので、融資による資金調達をお考えになられている方におすすめです。

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■ この記事の監修者
マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
伊東 祐生(いとう ゆうき)

2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。

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■ この記事の監修者
マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
伊東 祐生(いとう ゆうき)

2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。

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