【速報】令和8年熊本地震|被災した中小企業・小規模事業者向け5つの支援措置を解説
■【速報】令和8年熊本地震|被災した中小企業・小規模事業者向け5つの支援措置を解説
令和8年熊本地震により被害を受けた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
経済産業省は、熊本県内の10市10町1村に災害救助法が適用されたことを踏まえ、被災した中小企業・小規模事業者に対する支援措置を公表しました。
今回実施される支援には、特別相談窓口の設置、災害復旧貸付、セーフティネット保証4号、既存借入の返済条件変更、小規模企業共済の災害時貸付が含まれます。
本記事では、支援措置の内容と対象となる地域、被災した事業者が早めに確認しておきたいポイントについて解説します。
■【結論】資金不足が生じる前に相談窓口へ相談を
地震によって店舗、事務所、工場、機械設備、商品などに被害を受けた場合、建物や設備の復旧費用だけでなく、休業期間中の人件費、家賃、仕入代金、借入金の返済などが資金繰りを圧迫する可能性があります。
今回公表された主な支援措置は、次の5つです。
- 特別相談窓口の設置
- 災害復旧貸付等の実施
- セーフティネット保証4号の適用
- 既存借入の返済条件緩和等への対応
- 小規模企業共済災害時貸付の適用
資金が不足してからではなく、今後の売上減少や復旧費用による資金不足が見込まれた段階で相談することが重要です。
■支援措置① 特別相談窓口の設置
被災した中小企業・小規模事業者からの相談に対応するため、次の機関に特別相談窓口が設置されます。
- 熊本県内の日本政策金融公庫
- 商工組合中央金庫
- 信用保証協会
- 商工会議所
- 商工会連合会
- 中小企業団体中央会
- よろず支援拠点
- 全国商店街振興組合連合会
- 中小企業基盤整備機構九州本部
- 九州経済産業局
相談できる内容は、新たな融資だけではありません。
既存借入の返済猶予、返済額の見直し、復旧までの運転資金、設備の修理・再取得に必要な資金などについても相談できます。
現時点では手元資金に余裕がある場合でも、今後数か月の入金予定と支払予定を確認し、資金不足が見込まれる場合は早めに相談しましょう。
■支援措置② 災害復旧貸付等の実施
令和8年熊本地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象として、熊本県内の日本政策金融公庫および商工組合中央金庫が「災害復旧貸付等」を実施します。
災害復旧貸付等では、事業の復旧に必要となる次のような資金について融資を受けられる可能性があります。
- 店舗や事務所、工場の修繕費用
- 被害を受けた機械設備や什器の修理・再購入費用
- 商品や原材料の再仕入れ費用
- 事業再開までの人件費や家賃などの運転資金
- その他、事業の復旧・継続に必要な資金
利用できる融資金額や返済期間、融資利率は、被害の状況、必要資金、事業者の返済能力などによって異なります。
罹災証明書や被災状況が分かる写真、修理・再購入の見積書などを準備し、日本政策金融公庫等へ相談しましょう。
■支援措置③ セーフティネット保証4号の適用
災害救助法が適用された熊本県内の10市10町1村では、今回の地震の影響により売上高等が減少している中小企業・小規模事業者を対象として、セーフティネット保証4号が適用されます。
セーフティネット保証4号とは、突発的な自然災害などの影響によって売上高等が減少し、経営の安定に支障が生じている事業者を支援する保証制度です。
制度の対象となった場合、信用保証協会が一般保証とは別枠の限度額で、融資額の100%を保証します。
正式な対象地域については、近日中に官報で告示される予定です。正式な告示に先立ち、信用保証協会では事前相談が開始されます。
なお、信用保証協会による100%保証は、融資の実行が保証されるという意味ではありません。
利用するためには、市町村による認定に加えて、金融機関と信用保証協会による審査を受ける必要があります。
■支援措置④ 既存借入の返済条件緩和等への対応
すでに日本政策金融公庫や民間金融機関から融資を受けている事業者についても、実情に応じた柔軟な対応が要請されています。
主な対応内容は、次のとおりです。
- 元金返済の猶予
- 毎月の返済額の減額
- 返済期間の延長
- 貸出手続きの迅速化
- 担保徴求の弾力化
地震による休業や売上減少が生じても、借入金の返済は原則として継続します。
返済日に遅れてから相談するのではなく、今後の返済が難しくなる可能性があると判断した段階で、借入先へ相談することが重要です。
新たな融資を受けることに加えて、既存借入の返済条件を変更することで、毎月の資金繰り負担を軽減できる可能性があります。
■支援措置⑤ 小規模企業共済災害時貸付の適用
災害救助法が適用された熊本県内の10市10町1村で被害を受けた小規模企業共済の契約者には、中小企業基盤整備機構による「小規模企業共済災害時貸付」が適用されます。
小規模企業共済災害時貸付は、小規模企業共済の契約者が災害によって事業用資産などに被害を受けた場合に、積み立てた掛金の範囲内で資金を借りられる制度です。
今回の措置では、対象となる契約者に対し、原則として即日かつ低利で融資が行われます。
小規模企業共済に加入している個人事業主や会社役員は、自身が対象になるかを中小企業基盤整備機構へ確認しましょう。
■災害救助法が適用された地域
今回、災害救助法が適用された熊本県内の地域は、次の10市10町1村です。
10市
- 熊本市
- 八代市
- 水俣市
- 山鹿市
- 菊池市
- 宇土市
- 上天草市
- 宇城市
- 天草市
- 合志市
10町1村
- 下益城郡美里町
- 菊池郡大津町
- 菊池郡菊陽町
- 阿蘇郡西原村
- 上益城郡御船町
- 上益城郡嘉島町
- 上益城郡益城町
- 上益城郡甲佐町
- 八代郡氷川町
- 葦北郡芦北町
- 葦北郡津奈木町
セーフティネット保証4号など、地域指定が要件となる制度については、事業所の所在地が対象地域に含まれているかを確認する必要があります。
■被災した事業者が早めに確認すべきこと
被災した事業者は、まず自社の被害状況と今後の資金繰りを整理しましょう。
- 店舗、事務所、工場などの建物被害
- 機械設備、什器、車両などの被害
- 商品や原材料の破損・廃棄額
- 休業による売上減少額
- 復旧までに必要となる費用
- 今後数か月の人件費、家賃、仕入代金などの支払額
- 既存借入の毎月の返済額
- 現在の手元預金で事業を継続できる期間
被害額だけでなく、復旧までの売上減少や固定費の支払いも含めて資金繰りを確認することが重要です。
月ごとの入金予定と支払予定を整理した「資金繰り表」を作成すると、いつ、いくらの資金が不足するのかを把握しやすくなります。
■相談時に準備しておきたい資料
日本政策金融公庫、信用保証協会、金融機関などへ相談する際は、次の資料を準備しておくと手続きが進みやすくなります。
- 罹災証明書または被災証明書
- 被害を受けた建物、設備、商品などの写真
- 修理や再購入に必要な見積書
- 直近の決算書または確定申告書
- 直近の試算表
- 預金通帳
- 借入金の返済予定表
- 今後の売上・支払予定が分かる資料
- 資金繰り表
罹災証明書等の発行に時間がかかる場合でも、まずは被害状況を写真で記録し、相談窓口へ早めに連絡しましょう。
必要書類は、利用する制度や事業者の被害状況によって異なります。相談先へ事前に確認してください。
■日本政策金融公庫への相談で伝えるべきポイント
日本政策金融公庫へ相談する際は、単に「地震で被害を受けた」と伝えるだけでなく、次の内容を具体的に説明できるように準備しましょう。
- どのような被害を受けたのか
- 被害額はいくらか
- 事業再開までにどの程度の期間が必要か
- 復旧に必要な設備資金はいくらか
- 事業再開までの運転資金はいくら必要か
- 融資を受けた後、どのように事業を再建するのか
- 事業再開後の売上と返済の見通し
被害状況、必要資金、事業再開後の見通しを数字と資料で説明することが、相談を円滑に進めるポイントです。
■まとめ:新規融資と返済条件変更の両面から検討を
令和8年熊本地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者に対し、経済産業省は次の5つの支援措置を実施します。
- 特別相談窓口の設置
- 災害復旧貸付等の実施
- セーフティネット保証4号の適用
- 既存借入の返済条件緩和等への対応
- 小規模企業共済災害時貸付の適用
被災後の資金繰り対策では、新たな資金を借りる方法だけでなく、既存借入の元金返済を一時的に猶予してもらう方法もあります。
事業再開に必要な資金、休業期間中の固定費、既存借入の返済額を整理したうえで、自社に適した支援制度を検討しましょう。
資金不足や返済遅延が生じる前に、日本政策金融公庫、信用保証協会、取引金融機関などへ相談することが重要です。
弊社では、日本政策金融公庫への融資相談、資金繰り表の作成、金融機関へ提出する事業計画や資料の準備などをサポートしております。
災害復旧に必要な資金や、既存借入の返済についてご不安がある方は、お気軽にご相談ください。
■制度の詳細・最新情報
本記事は、2026年7月29日に経済産業省が公表した情報をもとに作成しています。
今後、対象地域、制度内容、申請手続きなどが更新される可能性があります。最新情報は、以下の公式ページをご確認ください。
経済産業省「令和8年熊本地震に伴う災害に関して被災中小企業・小規模事業者支援措置を行います」
九州経済産業局「令和8年熊本地震に伴う災害に関する特別相談窓口」
- ■ この記事の監修者
- マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
- 伊東 祐生(いとう ゆうき)
2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。
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- マケットコンサルティング株式会社 代表取締役 / 税理士
- 伊東 祐生(いとう ゆうき)
2019年に起業し、自身も創業フェーズにおいてグループ全体で5000万円超の融資調達に成功する。これまでの創業融資サポートの成功率は90%を超え、数多くのスタートアップ支援を行っている。